ドイツで見た長期休暇「Urlaub(ウアラウプ)」
下高井戸脳神経外科クリニック院長の高橋です。少しだけ、私自身の話をさせてください。
私は小学生の頃と、脳神経外科として専門研修(Weiterbildung)をしていた時期の2度、それぞれ約1年ほどドイツで暮らしました。
ドイツというと、ビールやソーセージ、音楽などをイメージされる方が多いと思いますが、実際に住んでみると、それと同じくらい強く印象に残ったのが Urlaub(ウアラウプ) ――長期休暇の文化です。
小学生の頃は意識しませんでしたが、医師としてドイツに滞在した時、同僚の脳神経外科医たちがごく自然に何週間もの長期休暇を取り、思い思いのバカンスを楽しんでから晴れやかな顔で戻ってくる姿を見て、深く考えさせられました。
日本の病院では、前日まで朝から晩まで忙しく働いていた同僚が突然見かけなくなると、多くの場合は異動や退職を疑ったり、「疲れてしまったのかな?」と思ったりするでしょう。
ところがドイツでは、長期休暇を取るのは誰にとっても当然の権利であり、周囲もまたそれを当然と受け止めています。だからこそ、本人も長期休暇を心から楽しみ、職場に戻ってきた時にはしっかりリフレッシュした状態で仕事に復帰し、その姿勢や表情からはどこか余裕すら感じられるのです。
これは単なる「休暇」ではなく、人生と仕事の質を高めるために必要な、大切な投資の時間なのだと実感しました。
医療現場こそ、メリハリが必要
私たちが働く医療の現場は、患者様の医療ニーズに対して迅速かつ的確に応える使命があります。
もちろん、患者様ご自身もいつ具合が悪くなるかを予測することなどできないため、医療従事者は常に気を張っていなければならない状況に置かれがちです。
とりわけ脳神経外科領域では、一つひとつの判断や処置が患者様の生活の質、時には生命に直結することもあり、日々の責任は決して軽くありません。
そうした責任を抱え、丁寧に、きっちりと仕事をこなそうとすればするほど、心や身体を休ませる時間がなくなり、気づかぬうちに疲弊してしまう――誰もがそうしたリスクを抱えています。
だからこそ、オンとオフをしっかりと分け、まずは医療従事者自身がしっかりリフレッシュする時間を確保することが重要だと思います。
それは決してわがままではなく、むしろより良い医療を患者様に届けるための土台ではないでしょうか。
小さなクリニックだからできる、新しい形
これまで私は大学病院や専門病院の一員として、大きなチーム医療の中で仕事をしてきました。
そのような環境では、なかなか、個人のワークライフバランスの問題にまで踏み込むのは難しかったというのが実際のところです。
このたび開院する下高井戸脳神経外科クリニックでは、スタッフ同士の距離が近く、風通しの良い環境を目指します。
ここで、これまであたためてきた「医療現場のワークライフバランス」を、ぜひ実現していきたいと考えています。
下高井戸脳神経外科クリニックの取り組み
柔軟な働き方を一緒に考えます
多様な雇用形態の整備
常勤だけでなく、パート勤務での働き方もご用意しています。
ライフステージに応じて、常勤からパートへ、あるいはその逆へと働き方を柔軟に変えることが可能です。
一度常勤からパートになったからといって、常勤に戻るときにまたキャリアを最初から積み直す必要などありません。
たとえば結婚や育児、パートナーの転勤、介護など、人生の節目に合わせてパート勤務に切り替え、落ち着いたら再び常勤へ――そんなキャリアの歩み方も応援します。
パート勤務はシフト制で希望を最大限考慮
曜日や時間帯はできるだけ希望を反映します。
生活リズムやご家庭の都合に合わせやすいシフトを一緒に作りましょう。
働きやすさを支える業務環境
医療DX(デジタル化)の推進
電子カルテはもちろん、WEB予約管理システム、WEB問診、自動会計、クラウド型PACSの導入がすでに決まっています。
これらはスタッフの仕事の代替ではなく、私たちスタッフが患者様やご家族としっかり向き合うこと、またクリエイティブな仕事に力を注ぐためのサポートツールです。
マニュアル化と業務フローの最適化
「この仕事はあの人にしかできない」といった属人的な業務をなくし、スタッフみんなで仕事を共有できる体制を整えます。
それによって有給休暇を取りやすくし、急なお休みにもお互い気持ちよくカバーし合える職場を目指します。
何より重視するのはチームワークとホスピタリティ
採用の際には、協調性や来院される方々への温かい対応を最も重視します。
気持ちよく仕事ができるからこそ、プライベートの充実も意味を持ち、メリハリのある働き方が実現できると考えています。
ワークライフバランスが生む好循環
私たち医療従事者自身が心身ともに健康でいることは、患者様に質の高い医療を提供する最大の原動力です。
プライベートが充実することで、仕事へのモチベーションが上がり、新しい視点を得たり、さらなるスキルアップへの意欲が湧く――そんな好循環を生み出して行きたいと考えています。
ちなみに、趣味や日課を通じて培った特技や知識が仕事に活かせそうなら、ぜひ教えてください。
是非クリニックの中で活かして頂けたらと思っています。
さいごに
下高井戸脳神経外科クリニックは、これから新しくスタートするクリニックです。
だからこそ、これまで医療現場で感じてきた「こういう働き方ができたらいいのに」を、スタッフのみなさまと一緒に形にしていきたいと考えています。
「ここで、仕事もプライベートも、もっと充実させてみませんか?」
当院では7月から採用面接を開始します。
少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひ採用情報ページをご覧ください。
ご応募お待ちしております。